えた、神代の生き神を世に上げる」ための神の経綸の型を開祖ナオ
と王仁三郎が身をもって行じた神事で、大本では「出修」とよび大
本独自のことがらとされている。国祖の出現によって三千世界を立
替え立直し世を一つにするための基礎的神業であり、天津神系であ
りながらさして政府が重要視しなかった丹波の元伊勢の水、ならび
に日本神話のうえで独自の位置をもち国津神系の代表的存在である
出雲大社の火が、この出修のなかに登場してくるのも、神を表にあ
らわす大本のしぐみからいって注目すべきことである。
 出雲参拝ののち大本では毎年旧七月六日から一週間、「天地の神
々があつまり会議をひらく元の場所」でたなばたまつり(今日の神
集祭)がおこなわれている。 この間私的な願いごとは禁止され、
国祖の隠退再現を記念する節分のまつりとともにとくに重要ないみ
をもつ祭典とされている。宇宙の主神を中心に正しい神々が綾部の
地にむかえられ、節分やたなばたの由緒ある祭りが綾部の地に復興
し継承されていることは、綾部の土地や歴史(今日ではなお不明の
部分が多いが)と無関係ではなく、注目されるべきことがらであろう。

    
三千世界の立替え立直し
 開祖の筆先は、ナオが大正七年(一九一八)に昇天されるまでの
二十七年間、神の啓示としてかきつづられたものである。綾部の黒
谷の和紙二十枚つづりを一帖として約一万帖もかきのこされたとい
う。一,五,九,十などの数字のほかは全文ひらかなでかかれ、の
ち出口王仁三郎が忠実に目をとおして漢字をあてたり、読みやすく

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