丹の国・綾部
エピロ−グ

終わりなき終わりに

綾部青年会議所の
十年の歩みは
その「綾部」なるが故に
その「青年」なるが故に
わが愛する郷土−−−
綾部という町の
理念の追求と
輝しい未来像への
挑戦の歴史であった。

幾多の屈折と
試行錯誤をくりかえし乍ら
その長い苦しい
模索の中で
文字どおり 血を吐く思いで
この一冊が出来上がった。

作業のくるしみは
創造をこえていたが
とりわけ
我々を
なやましつづけたのは
長い間
陽の目をみなかった
歴史の
怨嗟の声であった。

「知識」の場からでなく
「生活」の場からの
問題提起や
思想の展開は、
「矛盾」と「撞着」を
現実
その「からだ」に感じているだけに
「知識」の場からの
それ等のように
明晰ではないであらう。
しかしそれだけに
切実な訴求を
こめたつもりである。

この我々の
思想の提起が
綾部のあらゆる人々の
熱っぽい
わきたつような
「ふるさと」への
情熱と指向に
火をつける事を願いつつ。

さらに
日本列島の中で
「過密」にあえぐ人々のためにも
「過疎」でなやむ人々のためにも
その心の中に
「ふるさと」を よみがえらせ
真に
日本としての日本の
未来への凝視を うながしつつ。

終りなき終りの結びとする。